一番売れていて評価も高い『英語耳』。
内容は充実していて、素晴らしいテキストだと思います。
きちんと繰り返しやれば、正しい発音を手に入れられるのでしょう。
ただし!
続けることが絶望的に難しい・・・。
数十万冊と売れているようですが、実際に継続できている人は何%いるのでしょうか?
発音って難しい
私はテキストを使った独学の後、アメリカ人とのマンツーマンレッスンを1年以上(4時間/週のペース)続けて、仕事でも英語を使えるようになりました。
それでも、全然まだまだです。
TOEICとかだと900を超えていますが、会話や発音は本当に難しい・・・。
一つの単語だけでも、日本語では使わない唇や舌の動きを瞬時に何個も埋め込まなければなりません。
下唇を噛んだり、舌を上の歯の裏っかわにくっ付けてジーって言ったり。
頭でも追いつきませんし、口で覚えるしかありません。
ああ、本当に難しい。
訓練を続けることが超難関
なぜ正しい発音を身につけることが難しいのか?
理由を整理しました。
まず、日本語とは異なる口の動作が難しいこと。
そして矯正できるまで時間がかかることです。
体得するには、地味で退屈な訓練を、ひたすら反復練習するしかありません。
野球でいうとキャッチボール、楽器でいうと音階練習のようなものでしょうか。
そして厄介なのが、発音は点数化されないこと。
TOEICとかだと、500から600、700から800を超えて、900に到達。みたいに段階的に伸びていく自分が見えるので、達成感を感じつつ、勉強を続けられます。
しかし発音に関しては、スコアアップ(上達している自分)をモチベーションにすることができません。
一人でテキストと向き合って訓練を続けていても、上手くなっているのかは謎なんです・・・。
- 訓練は退屈で時間がかかる。
- 上達を確認する術がない。
いかに、独学による上達のハードルが高いかお分かり頂けると思います。
発音のテキストに求めるべき事
私の考えをまとめました。
正しい情報が網羅されていることは大前提です。
そして同じくらい重要なことが、継続できるかどうかです。
繰り返しになってしまいますが、英語の発音は、一朝一夕に身につくものではありません。
そして訓練の最大の敵は、訓練を途中で止めてしまうことです。
独学でゼロから発音の訓練をした経験者として、わたしのオススメは
手に取ることが嫌にならない、分かり易くてシンプルなものです。
- 必要な情報は網羅している
- シンプルで手に取りやすい
私が英語耳を続けられなかった理由
ここで、英語耳に話を戻します。
結論として、テキストが詳しすぎたことが原因で私は続けることが出来ませんでした。
相性の問題もあるので、受け止め方は人それぞれだと思います。
私の場合、『細かすぎ』『ボリュームも多すぎ』ということで、気合いを入れないとCDの再生ボタンを押せませんでした。
そして、決定的に無理だと感じたのが、
ある章で取り上げられている単語を例に挙げると、
- bad
- boe
- bud
- bird
- bard
- bored
- bode
- bawl
さて、意味を知っている単語はいくつあったでしょうか。
私(TOEIC900点台)は3つ/8つでした。
※単語の意味はテキストに書かれていないので、自分で調べる必要があります。
意味を知らない・使わない単語をどれだけ練習したところで役に立つとは思えず、そして私は本を閉じました。
英語耳の代わりに愛用している発音テキスト
最初に手に取った英語耳は諦めましたが、英語の発音を諦めるわけにはいかなかったので、他のテキストに変更しました。
これが最高で、私の要求に完全に応えてくれた一冊だったので紹介したいと思います。
『やさしい英語の発音』 原岡笙子(著)
おそらく、初めて目にした方がほとんどではないでしょうか。
レビューも少ないですし、実際に本屋で物色しないと手に取る機会は少ないかもしれません。
でも、すごい良書なので、機会がある度におすすめしている一冊です。
私は数十回(もしかしたら100回超えてるかも)繰り返しましたが、続けることが全く苦にはなりませんでした。
- イラストで舌と唇、喉の正しい動きがよくわかる
- 単語は簡単なものだけ
- 気軽に取りかかれる
要所だけがまとめられていて、必要最低限のことしか載っていないような簡単なテキストですが、独学ではこれで十分だと思います。
私は『やさしい英語の発音』で自己学習した後、オンライン英会話スクールでアメリカ人の発音矯正講座に切り替えましたが、
『基本ができている』と驚かれました。
裏を返せば、細かいところはまだまだという感じだったのですが、2千円のテキストで完璧な発音を手に入れることが出来るわけがありません。
役割は十分果たしてくれたので、感謝しています。
まとめ
発音テキストの役割は、反復練習により基礎を口に覚えさせることです。
細かいイントネーションやアクセントはテキストを使った独学では限界があります。
最も重要なことは、訓練が苦にならないこと。
とにかく、繰り返すことが正義です。
英語の上達のため、皆さんには、ご自身に合った発音本を見つけて欲しいと思います。
*この記事は、あくまで個人的な感想や相性について述べています。
『英語耳』は情報量の豊富な優れた本だと思います。
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おすすめする英語本を3冊に絞りました。今回紹介した『やさしい英語の発音』も含まれています。
日本人が最も不得意とする発音について。ネイティブのように話したいですよね。でもそれにはかなりの努力が必要になります。とすると現実的なゴールラインはどこに設定すれば良いのでしょうか?
アルクのスパルタ式発音教材です。正直に言うとまだ完走出来ていませんが、フレーズも身につくので、これをやり切った時にはかなりのスピーキング力が手に入ると思います。