ANAの上級会員資格、SFCを取得して1年が経ちました。
このたった1年の間に起きた数々の改悪。
修行と称してSFC取得のために少なくとも40万円以上のお金と多くの時間をかける方も多い中、特典の変更内容と理由を整理しました。
今後控えるさらなる改悪も予測し、SFCは本当に取得する意味があったのか検証したいと思います。
(追記)
時間はかかりましたが、メリットありました。
目次
2019年の特典改変内容について
国際線のプレミアムエコノミー席へのアップグレード廃止
最たる改悪はこれでしょう。発表されたのは2018年。いよいよ2019年に施行されてしまいました。
廃止の代わりに、マイルと交換する特典航空券でプレミアムエコノミー席も選べるようにはなりました。
この改変を好意的に受け取っている方もいるようですが、それはマイルの有り余っている一部の方に限られた話だと思います。
例えばハワイだと、特典航空券との交換に必要なマイル数は各クラスによってこのように変わります。
エコノミー:3万5000マイル
プレミアムエコノミー:5万3000マイル
ビジネス:6万マイル
プレエコとビジネスはほぼ同じ。
高すぎませんかね。
例えば、ハワイ便のプレミアムエコノミーに搭乗するには
2019年までは、特典航空券か、格安の航空券でエコノミー席の予約を取っていれば、空席さえあればプレエコにアップグレードが可能でした。
しかし今では、
- 2倍近いマイルで特典航空券に交換
- 2倍以上の値段のするプレミアムエコノミー席の航空券を購入
しかありません。
空きさえあればアップグレードできるという夢のような特典に魅かれてSFCを取得した方も多いと思いますが、最大のメリットはあっさりと終わりを迎えました。
国際線エコノミーの座席指定有料化
SFC会員であれば無料であったサービスが、有料化されました。
ダイヤモンド・プラチナ会員から、SFC会員が切り離された形ですね。
路線によって金額は異なりますが、往復でみるとかなりの痛手となります。
非常口:5000円前後
前方席(窓側・通路側):2000円前後
特典航空券は今の所は対象外なのは救いですが、これもいつ終わるか分かりません。
なぜ制度が改変されたか
一番大きな理由はA380のハワイ路線就航
A380はエアバスの誇る世界初の総2階建ての機体で、現在世界で就航している旅客機の中で最大の大きさと座席数を誇る最新鋭の機体です。
そして、設定されたプレエコ席は、ボーイングの787に対して3倍以上。
A380: 73席
B787: 20席
差を見ると、ANAがホノルル線にどれだけ多くのプレエコ席を設定しているか分かりますね。
せっかく増設したプレミアムエコノミークラスを、無料のアップグレードで使われるのは勿体ないとANAが思うのは当然です。
ホノルル線の強化がプレミアムエコノミー席の扱いがテコ入れされたきっかけになってしまったのは間違いないと思います。
SFC取得者が増えすぎてしまったことも原因
私の周り、同じ職場の同世代で取得しているのは知っているだけで4人います。
それだけ多くの人を惹きつけてしまうほど、取得のメリットが大きかったということです。
みんなが気づき始めてしまった代わりに、会員数も急増してしまったのでしょう。
資格者が増えれば、サービスの質を下げざるを得なくなるのは、仕方ないのかもしれません。
SFC会員に残された特典
失ってしまったことは仕方ありません。では何が残されているかについて、改めて確認したいと思います。
予約時の特典
- 特典航空券の優先予約(国際便)
- 前方座席指定(国内便)
- 予約優先キャンセル待ち
- 会員専用デスク
この中では、なんといっても『特典航空券の優先予約』の有用性が際立っています。
この特典の為にSFC取得を目指した方も多いのではないでしょうか。
特に国際線、いくら頑張ってマイルを貯めても、いつも特典航空券は競争が激しくて航空券が全く取れないという事はよくあります。
その点、ANAは上級会員限定の枠を設けているので、SFCを取得すればかなり優位に国際特典航空券を確保できます。
搭乗時の特典
- ラウンジ利用
- 手荷物優先受け取り
- 専用チェックインカウンター&専用保安検査場
- 優先搭乗
- 手荷物許容量UP
- 空港での優先キャンセル待ち
搭乗時のメリットはまだまだ多く残ってますね。
専用チェックインカウンターに始まり、到着後の手荷物受け取りまで、快適に、時間のロスが最小限になるような気遣いが最大限に込められています。
経験したことのある方はご存知かと思いますが、時間と体力に限りのある旅行中にこれらの恩恵はどれだけありがたいか。
このように、改めて並べてみると、魅力的な特典はまだまだ残されていることが分かります。
もしこれらの優遇制度が永続するなら、SFC取得は十分にメリットがあり、これから取得を目指す方、すでに持っている方ともに心配や不満は残らないと思います。
今後さらに考えられる改悪(予測)
気にするべきはこれからさらに悪い方向へ制度が改変される可能性でしょう。
私の想像で語らせて頂きます。
特典航空券の優先予約が無くなると予想
JALではもう採用が決まったシステムなので、方向性として可能性が無い訳ではないと思います。
引用:JAL
今のところ、席が限られていて予約の取りづらい便でも、上級会員限定の席が開放されていて予約出来るケースがあります。
SFCホルダーにとってメリットの大きな優遇措置であるため、多くの修行者の動機となっていると思われます。
しかし、今後は、上級会員のステータスではなく、追加のマイルを要求されてしまう方向に制度が変更されてしまうかもしれません。
JALのシステムが上手く機能すると、より現実的になることが懸念されます。
もしANAでも導入されてしまうと、SFCは『ラウンジへのフリーパス券』に成り下がってしまい、価値は半減どころか9割減となるでしょう。
実現しないことを祈るばかりです。
今の時点で、特典航空券の取得は困難
2019年秋にフランスへ行きたくて、半年前に国際特典航空券を取得しようとしましたが、全然無理でした。
ビジネス、エコノミーともに全滅。
SFC会員、どれだけいるんだよと。
実際の待ち人数など、詳細はこちらをどうぞ。
これからは、プラチナ=SFCではない
一度SFCの資格を取れば、半永久的に上級会員の資格を得られるという点が、揺らいできている気がします。
座席指定の有料化はまさにその実例です。
今後は、ダイヤモンド・プラチナ会員との差別化は進むでしょうね。
SFCを取得して後悔してる?まだの人はこれから取得するべき?
現状の特典と将来の懸念を加味した上でも、まだ興味があってお金と時間に余裕があればGOだと思います。
でも、
SFCの優遇制度が今以上に向上する見込みも理由も見当たらないので、おそらくこれからは改悪の一途を辿るでしょう。
出張でプレミアムポイントがたくさん貯まったなどのケースを除けば、自力でゼロから50,000プレミアムポイントを貯めるのは少し割に合わないかな、というのが正直なところです。
以前は、『関心を持ってしまった時点でGOだ!』と言ってましたが、状況が変わりました。
関連記事です。
時間はかかりましたが、メリットありました。
修行が終わった今だからこそ気づく注意点をまとめました。1日に沖縄2往復とか、本当にやめましょう。PP単価を抑えることが正義みたいになっていますが、その考えは捨てた方が良いと思います。
私が50,000プレミアムポイントを獲得してSFC会員資格を得た際のフライト記録です。たった1年の間に17回も搭乗していました。かかった航空券代はおおよそ43万円!