日照時間が地域別でどの程度差があり、発電量に如何に影響を与えてしまうのか、見ていきたいと思います。
一般的に太陽光発電の設置を検討する際は、
- 屋根の広さ、向きと角度
- 家の周りにある日光を遮る障害物
関連する記事こそ少ないものの、調べていくと地域差がかなりあることに驚きました。
そして発電量にも大きく影響を与える要因なので、頭に入れておいて損はありません。
年間日照時間とは
日照時間の意味
日出から日没までの間に、太陽が雲や霧あるいは、高層建築などにさえぎられないで実際に地上を照らした時間。
三省堂 大辞林より
つまり、年間日照時間とは、1年間8760時間のうち、晴れた時間が何時間あったかを表しています。
日照時間に関係してくる要因としては、
- 気候
- 緯度
- 地形
が挙げられますが、この中で最も大きな要因は天候です。
なので年別でもかなりのばらつきが見られます。
晴れの時間の重要性。曇りではほとんど発電しない
太陽光発電とは、文字通り太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換するシステムを指しますので、日照時間と太陽光発電の関係については、説明するまでもありません。
太陽光パネルは曇りでも発電するにはしますが、晴れの日に比べると発電量は格段に落ちてしまいます。
私の感覚では、
- 曇り(雲が白い・明るい):晴れの10-30%の発電量
- 雨・曇り(雲が灰色・暗い):晴れの0-10%の発電量
発電量はどれだけ晴れている時間があるかにかかっています。
日照時間は、発電量に直接効いてくる
ここで年間日照時間の話に戻ります。
- 年間日照時間が1000時間のA県
- 年間日照時間が2000時間のB県
この2県で比較すると、
同じ出力のシステムを同じ方向・傾斜角で設置した場合、A県に対してB県の発電量は単純に考えて約2倍になります。
言い方を変えると
- A県の10kWの太陽光発電システム
- B県の5kWの太陽光発電システム
設置にかかる初期費用はおそらく倍ほど異なるにも関わらずです。
A県にとっては残念、B県にとっては嬉しい差でしょう。
年間日照時間の地域差
では日本国内で実際にどれだけ差があるのか、見ていきたいと思います。
ピックアップした以下の県の過去40年の年間日照時間の推移を比較しました。
山梨:関東地方代表
三重:東海地方代表
高知:四国代表
秋田:東北地方代表
福井:日本海側代表
※中部、近畿、中国、九州地方は、太平洋側、日本海側で全く傾向が異なるので割愛します。
参照:統計メモ帳
2倍とは言いませんが、1.5倍ほどの差は実際にあるようです。
都道府県のランキングはその年々の気候で毎年変動しますが、
下位争いは、東北地方、日本海側。
といった傾向は見受けられます。
参照:秋田地方気象台
しかし、順位ではなく日照時間で比較すると、実は上位〜中位に大きな差はありません。
上位〜中位では、微々たる差で順位が大きく変わってしまう位、混戦というか、似たようなものです。
その代わり、下位になると話は別で、北海道、東北、日本海側の地域は、他のエリアに対して極端に日照時間が少なくなってしまいます。
この差は発電量にも大きく影響してくるでしょう。
まとめ
私は東海地方に住んでいることもあり、設置前に年間日照時間のことを調べた時は背中を押された気持ちになりました。
同じく、前向きになれた方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。
しかし、同じ理由で東北地方をはじめとした、日照時間では不利と思われる地域にお住いの方が、日照時間を理由に躊躇してしまうのは話が別です。
ほとんどの方は見積もり時の発電量シミュレーションを元に経済的な効果を検討されるでしょうが、地域の気候や日照時間の統計データは計算にすでに盛り込まれています。
つまり、手元にあるシミュレーション結果は既に気候条件や日照時間を加味してあるので、そこからさらに地域差のこと心配する必要はありません。
というか忘れてもらって結構です。
予測発電量に基づく利回りや、経済効果を見て、利益が確保できそうなら、前向きに検討して欲しいと思います。
同じ日本でもこの地域は大丈夫?