住宅に太陽光発電システムの設置を考える際、売電期間中の損得計算だけでは不十分です。
多くの方は、どれだけ発電できるか、どれだけ売電収入が得られるか、にしか注意がいきません。
例えば、
『うちの屋根に載せれるのは4.0kWで年間発電量が4500kWhか。じゃあ消費量を3000kWhとすると残りの1500kWhを2018年度の売電価格26円/kWhで売る訳だから、売り上げは年間39,000円か。』
のように、システムの出力と売り上げばかりに目が行きがちです。
これは仕方ないのことなのですが、実は幾ら売るかより、どのように消費するかを考える方が、設置を検討する方にとって正しい判断を下せます。
売電期間よりその後の消費期間の方が長い
一般的な住宅ではシステムの出力は10kW未満となるため、
- 売電期間10年
- 余剰買取
となります。
補足すると、出力が10kW以上だと産業用太陽光と見なされます。これにより売電期間が20年、買取形態も余剰買取と全量買取を選択できるのですが、ここでは一般的な住宅への設置を前提として割愛します。
まず重要なのは、お金をかけて太陽光システムを設置しても、固定金額の売電が保証されているのはたった10年ということです。
国が設定している売電価格は年々降下の一途を辿っており、制度の継続も不透明であるため、10年後は買い取って貰えないか、もしくはタダ同然の金額での売電となる可能性が高いと予想しています。今のFIT固定買取制度は震災をきっかけに設定された期間限定的な国による優遇制度なので、10年の固定期間が終了した後は何も期待しない方が賢明でしょう。
ということは、35年ローンで購入した住宅に住み続けると家庭した場合、売電が終了した11年目以降に残された期間の方が断然長くなっています。
太陽光システムは非常に寿命が長いとされています。
メーカー保証は国内メーカー、海外メーカに関わらず、パネルが25年、パワコンだと15年というところが多く見受けられます。
特にパネルに関しては出力保証(発電量が25年で72%以下とならない等)という形の保証となっているので、パネルが壊れて発電できなくなることはないと考えて良いでしょう。
パワコンの寿命は不透明ですが、こちらは安価なのでたとえ交換したとしても10万円代で済む話なので、特に気にする必要はありません。
どのように電気を消費していくか、生活スタイルと照らし合わせて判断することが必要です。
ちなみに我が家はオール電化であることに加え、犬がいるので24時間全部屋のエアコンを稼働させているため、売電より消費の方が多い日もあります。
売電が終了して電気が余る時期が来たら、蓄電池を設置して夜間の使用に回したり、電気自動車に切り替えてガソリン替わりに使ってしまうのも良いかもしれません。
出口戦略というにはまだ検討不足ですが、売電終了後も上手に付き合っていきたいと考えています。