ノーザンファームの牧場見学。移動前の2歳馬。リスグラシュー24は母そっくり。

一口馬主

2026年5月中旬。前回の牧場見学から2か月が経過し、北海道もずいぶん暖かく、むしろ暑いくらいの気候になっていました。

今回は、本州への移動を目前に控えた2歳馬を含む出資馬7頭を見学。

牧場スタッフの方々から伺ったコメントとあわせて、実際に見た印象も含め、記録として残しておきたいと思います。

ノーザンファーム空港

レッドヴェリタス 牡2

父サートゥルナーリア

母ラストグルーヴ(母父ディープインパクト)

栗東・福永祐一厩舎

東京サラブレッドクラブ

この2か月でも、しっかり成長した姿を見せてくれました。特にキ甲が抜けてきたのは、素人目にも分かるほど。

相変わらず落ち着きはなく、こちらをずっと目で追いかけてくるあたりは“いつも通り”。

調教嫌いだとか、ずる賢いだとか、なかなか好き放題に言われているようですが、そういうクセのある部分も含めて、むしろ愛着が湧いてきます。

空港牧場の厩舎長、そして最近ではYouTubeで福永祐一調教師自身も語っていましたが、福永厩舎には優秀なライダーが揃っている様子。

入厩後にしっかり鍛えられて、どんな成長を見せてくれるのか。本当に楽しみです。

厩舎長のコメント

  • 身体は大きいが、遅生まれでキ甲が抜けていなかったりしたものが、この2ヶ月でたくましく成長した
  • 特に胸前が発達した。腰とトモ周りも成長しているが、まだもう1つついてこない感じ。そこが発達すればよりバランス良く見えるようになる
  • もうひとつ成長が見込めそうなので、それまではここで体力の強化に努める
  • 福永厩舎は2歳の移動は進んでいない、その中で優先度を高めてもらえるように進める
  • 福永先生が先日来られた際は、まだ早いとの判断。次回はセレクトセールの時に見てもらう予定
  • 相変わらず前向きなタイプではない。調教は基本嫌い
  • しかし習慣づけることで、坂路のスタートでも飛び出していくように一気に加速するようなった
  • 特に併せ馬だと集中している
  • 坂路の中で、加速して緩めてを何度か繰り返したが、反応も都度良かった。ピッチを上げてばっと加速、そのあと抑えてを上手に切り替えができていた。これができる馬は多くはない。ふつうは行きっぱなし、すぐ止める
  • ずる賢いのだと思います
  • 福永厩舎には優秀なライダーが揃っているので、ここよりも良くしてくれるはず
  • 調教の強度を上げて負荷も高められている
  • 坂路のペースは週に最大8本。日に最大2本。空港のオス馬だと普通で特別多いわけではない
  • 週に1度42。他の日は45-48。今はデビュー前の馬やっていないが、これからもっと体力がついてきて、物足りなさを感じたら40もやるかもしれないが怪我をせず体力をつけること優先で
  • 乳酸をだすために、坂路で大きく走らせて、その後周回で走らせるのが空港牧場のオーソドックスなスタイル
  • 適正は中距離。テンから忙しいより、ゆったり出してあげた方がいいタイプ。集中力が続かない可能性もあるが、優秀なスタッフの揃っている福永厩舎に見定めてもらえるはず
  • (歩様を見せてもらう際)今も調教でも、目を耳をキョロキョロさせている
  • 520kg。トレセンにいくと腹回りはもう少しシャープになると思うが、成長を促す点では良好な状態

 

ルージュナイアス 牝2

父ホットロッドチャーリー

母ラーゴブルー(母父ハーツクライ)

栗東・斉藤崇史厩舎

東京サラブレッドクラブ

変わらず順調に調教を積めているようで、まずはひと安心です。

前回見学時には、斉藤崇史調教師から「もう少しメリハリが欲しい」といったコメントもありましたが、少しずつ変化が出てきている印象。腹回りにはまだ多少余裕がありそうな一方で、筋肉量は増してきたように感じました。

育成牧場の段階でやるべきことは、すでにある程度こなしているようにも見えます。あとは厩舎側の状況次第、といったところでしょうか。

評価も上がっている1頭とのことで、今後の成長に期待したいですね。

また、同じ厩舎にいた他の2頭のHot Rod Charlie産駒は、すでに移動したとのこと。成長の早さなのか、あるいは体質の丈夫さなのか、少なくとも健康面では良い傾向を持った種牡馬なのかもしれません。

牧場のコメント

  • 坂路ではハロン15
  • 調教の進みは早いグループ
  • 硬さを感じるのでダート馬になりそうだが、最初は芝でも
  • 距離は持たなそう。マイルか、それ以下
  • オンオフしっかりしていて扱いやすい気性
  • 調子のいい身体をしていて、体調面は抜群に良い
  • 冬場も安定してずっと健康体でカイバ喰いも良い
  • 体質が強い、調教を進めやすい
  • 重かったものが坂路15を継続する中で締まってきた
  • これまでの経過はとても良い
  • 早期デビューという感じでは無さそうだが、5月中旬から6月頭には送り出せそう
  • 牝馬なのにへこたれない。15では苦しくなる馬がいる中、頼もしい
  • 足捌きに硬さがあるので疲れは慢性的にたまりやすいが、問題なくこれている
  • 斉藤調教師はこの前来て、馬体にメリハリが欲しいとのこと

 

ノーザンファーム早来

レッドアヴィオン 牡3

父エピファネイア(母父ディープインパクト)

母レッドアヴァンセ

美浦・手塚貴久厩舎

東京サラブレッドクラブ

抜糸翌日で、まったく元気が感じられなかった前回の見学時とは一変。今回はかなりチャカチャカしていて、「本当に同じ馬なのか」と思うほど雰囲気が変わっていました。

現在はまだウォーキングマシンまでの調整とのことで、相当ストレスも溜まっている様子。それでも毛艶は良く、コンディション自体は良好に見えます。

見学した翌週からはトレッドミル調教へ移行予定とのこと。ここから順調にステップアップしていってほしいところです。

また、厩舎の雰囲気からすると、未勝利戦の期間内で無理に使っていくイメージはあまり感じませんでした。個人的には地方転出もあるのかと思っていましたが、むしろ1勝クラス復帰を本線に考えているような印象です。

格上挑戦という形にはなりますが、能力的には十分通用すると思いますし、個人的にも賛成です。

牧場の方のコメント

    • 馬体重483kg
  • 手術から3ヶ月たったので、翌週からトレッドミルへ移行
  • 膝をやったので、調教は坂路のみ。6月末くらいから乗り出すイメージ
  • 未勝利期間には間に合わないので、クラブサイドと相談。地方が良いのか、1勝クラスが良いのか・・・
  • ウォーキングマシンだけで、ストレスたまっている
  • 馬体重は増えたが、太りすぎずキープできている

 

レッドシュヴァリエ 牡2

父サートゥルナーリア(母父ディープインパクト)

母レッドアヴァンセ

美浦・木村哲也厩舎

東京サラブレッドクラブ

今回の見学では、正直なところ分かりやすい馬体の変化までは感じませんでした。調教もかなり慎重に進められている印象で、無理はさせていない様子です。

デビュー時期も、この世代の中ではかなり遅い部類になりそう。現状を見る限り、クラシックを意識するような成長曲線ではなさそうです。

ただ、もともと晩成気味の血統背景でもありますし、まずは頓挫なく調教を積めていること自体を前向きに捉えたいところ。焦らず成長を待つ段階なのだと思います。

体質面の弱さには不安も残りますが、一方で懸念されていた喉については、今のところ特に兆候は見られないとのこと。今後も安心材料にはなりそうです。

今回は1つ上の半兄、レッドアヴィオンと続けて見学しましたが、やはりよく似ていますね。

2頭とも、半兄でオープン馬のレッドエヴァンスのように、古馬になってから長く楽しませてくれる存在になってくれれば嬉しいです。

牧場の方のコメント

  • 15-15をやっても体をキープできるようになってきた
  • 体質は、成長につれて徐々に上がっては来ている
  • 気性面は大丈夫。おとなしい
  • 喉は鳴っていない。ただ、兄弟で鳴っているなら、今後出てくるかも・・・
  • 調教も加減はしているが、15-15をやれている。週2回ほど。タイムが短くなってしまった時は、歩様を見ながら抜いたりしている。
  • 前脚も問題なし
  • 移動は秋には。10月に送り出せれば。まだ4-5ヶ月あるので詰めた話はしていない。年内に使えれば良いかなという予定

 

レナセール 牝2

父リオンディーズ(母父ハーツクライ)

母クレアドール

美浦・千葉直人厩舎

キャロットクラブ

2ヶ月前は幼さが前面に出ていましたが、競走馬らしい体つきに近づいたような気がします。

馬格も牝馬としては十分にあり、このまま順調に成長していってくれれば楽しみです。

秋デビューが理想的でしょうか。

気性面は本当に大丈夫そうですね。1番良い子でした。

厩舎長のコメント

  • 6月下旬〜7月を目安に本州へ移動
  • 体高が伸びた。欲を言えば夏や移動に備えて体重をもっと増やしたい。コンスタントに強い調教を重ねていてもカイバ喰いは落ちないし、体重が極端に減ることもない
  • いまは坂路を週3回。これから1ヶ月かけて44を切るところをしっかりやって、基礎体力をつけて、送り出すイメージ
  • 気の悪さは無いが、周囲を気にしてカリカリするなど神経質な面は見せる。牝馬ではよくある
  • 適正は芝の中距離〜長めと感じている。スピードはあるけれど、パワーは物足りないのでダートではなさそう。硬さがあるので全くダートが通用しない訳でも無いが、坂路でもシャープな動きを見せているので、芝だと思う。キャンターでもカリカリして自分からという訳では無く、1600や1400というイメージはなく、長いところで良さが生きそう

 

リスグロワール 牝2

父サートゥルナーリア

母リスグラシュー(母父ハーツクライ)

栗東・矢作芳人厩舎

キャロットクラブ

前回の見学時は厩舎長の対応でしたが、今回は実際に乗っている方から話を聞くことができました。

そして、その評価がとにかく高い。

「ひいき目抜きに走ると思う」
「本当に期待している」
「ロンギ場の頃から、この子がナンバーワン」

……と、まさに絶賛の嵐でした。

前回訪れた際は420kgほどで、かなり細く映っていた時期。それが今回は446kgまで増えており、馬体の成長ぶりにも驚かされます。

さらに、矢作芳人調教師を含め、母のリスグラシューに本当によく似ているという印象を持っているようで、デビューのイメージも母と同じような形になるのでは、とのことでした。

そうなると、夏デビューの可能性もありそうです。

募集馬ツアーで初めて見た時から特に思い入れの強い1頭だけに、この高評価のまま順調に進んでいってくれることを願っています。

丁寧に縫い込まれたタテガミ。育成牧場ではあまり見かけないので、「珍しいですね」と尋ねてみると、“特別な想いを込めている”とのことでした。

その言葉だけでも十分嬉しかったのですが、他にもありがたいコメントをたくさんいただき、この馬への期待の大きさが伝わってきました。

見学を終えて、「本当に来て良かった」と素直に思える時間でした。

牧場スタッフのコメント

  • 446kg
  • 3ハロン45で順調にペースアップ出来ている
  • 2ヶ月でメリハリがつき、筋肉量も増え、良い感じの馬体になってきた
  • 週2回の夜間放牧がうまくいき、馬がガラッと変わった
  • (夜間放牧は)早来の放牧地をもつ厩舎では成長を促す手法として一般的
  • 矢作先生は『お母さんそっくりだね』と毎回仰っている。僕らの目から見ても本当に似ている
  • 1つ上の姉(3月デビュー)は小さく、時間がかかると言われていた。この子の方が馬格の面でも上回っている
  • 乗っていて、軸がぶれない。ふにゃふにゃしない。馬体がまだ緩い中で、これはすごい。筋肉が乗ってくるとどうなってしまうのか楽しみ。
  • 乗り味は来た時から素晴らしかった。ロンギ場で乗り始めた時から乗り味はこの子がナンバーワン
  • 特別な思いがあって、髪とか編んでる。正直、かなり期待している
  • 気性面もお母さんに似ている。気が強く、頭がすごく良くて、飲み込みが早くて悪いことしない
  • ひいきなしに走ると思います

 

カナルビーグル 牡4

父リアルスティール(母父Include)

母ソブラドラインク

栗東・佐藤悠厩舎

キャロットクラブ

デビュー前の2歳馬たちを続けて見たあとに重賞馬を見ると、やはり“アスリート感”がまるで違いますね。積み重ねてきたキャリアを感じさせます。

毛艶も非常に良く、状態はかなり良さそう。復帰スケジュールが前倒しになったのも納得できる雰囲気でした。

この夏は、7月函館の大沼ステークスから、8月札幌のエルムステークスへ向かうプランとのこと。

ノーザンファームしがらきでも「夏場には弱いタイプ」と言われていましたし、北海道で調整できているのはむしろ良い流れなのかもしれません。

次はいよいよ函館で、約1年ぶりとなる復帰戦。今から本当に楽しみです。

もちろん、応援にも行く予定です。

牧場の方のコメント

  • 46-47で1回上がった後、2回目は42-43。良い動きを見せている
  • 調教が進み、カイバ食いもよい。暖かくなって体調もより良くなった
  • 大沼Sの3週前に入厩して競馬を迎える予定
  • ース後の状態が良ければ、また早来の坂路で仕上げてエルムSへ向かう
  • 夏に弱い。北海道も暑いが本州よりはマシ。坂路もあるので北海道を拠点に。
  • 休養馬の方が、札幌函館を使うことはよくある。
  • 特に古馬のオープンクラスだとレース選択も限られており、計画を立てやすい

 

まとめ

今回も1日で空港周辺と早来を回り、合計7頭に会うことができました。非常に効率が良く、充実した見学になったと思います。

メインは2歳馬の5頭。この世代は何かと思い入れが強く、今回で早くも3度目の見学となりました。回数を重ねるごとに成長も感じられ、それぞれに違った変化が見られるのが面白いところです。

なかでも今回、評価が“爆上がり”だったのがリスグロワール。もちろん、実際走ってみないと分からない世界ではありますが、そもそも一口馬主は“夢を持つこと”にお金を払っているようなもの。そういう意味では、もう十分に元を取った気さえしています。

次回は夏場に訪れたいと思っていますが、その頃にはおそらく大半が本州へ移動しているはずです。

外厩先で再会できる馬もいるとは思うものの、東サラの関西馬であるレッドヴェリタスルージュナイアスについては、ノーザンファームしがらきで見学ができないため、牧場で会えるのは今回が最後になりそうです。

そう思うと少し寂しさもありますが、次に会う場所は競馬場。それぞれが無事にデビューし、自分の舞台で頑張ってくれることを願っています。

(つづく)

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