ダーレー・ジョナベルファームの牧場見学。エッセンシャルクオリティ他。

アメリカ駐在生活

ケンタッキー州レキシントンの牧場見学①

最初に訪問したのは、ジョナベルファーム(Jonabell Farm)

ジョナベルファーム(Jonabell Farm)

Darley Groupがアメリカに持つ種牡馬の繋養牧場です。

ジョナベルファームは1946年に開業し、1954年に現在のレキシントンへ移転。半世紀後の2001年、Darley Groupへ推定1580万ドルで売却され現在の姿となっています。

見学の目当ては、Medaglia d’Oro、Essential Quality、Nyquist、Cody’s Wishでしたが、他にも多くの有力種牡馬を抱えています。

公式サイト:Jonabell Farm

スタリオンツアー

牧場見学の予約はこちらから。1.5時間で$30のツアーとなります。

Among the stallions that guests may see on a visit to Jonabell Farm are two-time Breeders’ Cup winner and Horse of the Year CODY’S WISH, Kentucky Derby winners NYQUIST and STREET SENSE, Belmont Stakes winner ESSENTIAL QUALITY, multiple G1 winners FROSTED and MAXFIELD, and perennial leading sire MEDAGLIA D’ORO.

牧場到着から集合

見学は午前10時から。

正門に到着すると、ゲート前で予約の確認。

集合場所の道順を教えてもらい、そしてガイドが現れるまで車の中で待っているよう指示を受けます。

移動中、趣のある建物だなーと写真をとりました。あとで調べると、1799年に建てられたものかも。

事務所前の駐車場が集合場所。指示された通り、車の中で待機です。時間になるとガイド役の女性が現れて自己紹介、そして『牧場見学は初めてか?他にどこに行った?』など軽い挨拶の後、口頭で牧場の歴史について説明してくれました。

 

事務所内のトロフィーやゼッケン

次に事務所の中へ移動。吹き抜けのある素敵なロビー。

手すりには活躍場のゼッケン、壁際にはトロフィーが並べられていました。

その後、多くのトロフィーの飾られた部屋で、昨年Cody’s Wishが勝利した2023年のBCマイルのビデオを全員で鑑賞。私も現地にいたのですが、このレースは見逃したはず。トロフィーの説明がかなり続いた後、いよいよ種牡馬見学へ。

 

種牡馬見学

午前で比較的涼しく、馬がまだ放牧中だったため、放牧地へ向かいました。

ここからはマニアックな内容となります。

Street Sense (2005)

父Street Cry 父の父Machiavellian

種付け料(2024年): $60,000

米国2歳チャンピオン。ケンタッキーダービー、トラヴァースS勝ち馬。2013年のみダーレー・ジャパンで供用。2023年米国サイアーランキング16位。

ストリートセンス。アメリカで会った最初の種牡馬といったこともあり、ちょっと感動しました。見学中、ずーっと頭を前後に振っていました。顔に巻いているものは目を保護するためのものだそうです。見学後半の時間になると、厩舎に戻っていました。

 

Hard Spun (2004)

父Danzig 父の父Northern Dancer

種付け料(2024年): $35,000

自身のG1勝ちは1レースのみ。産駒がG1を15勝。4頭が種牡馬入り。2023年米国サイアーランキング10位。

ダンジグの直仔なので、少し古い血統ですね。

 

Proxy (2018)

父Tapit 母Panty Raid(G1 2勝)

種付け料(2024年): $25,000

クラークS(G1)勝ち馬。2023BCクラシック3着を最後に引退。意外ですが、Tapitの産駒でG1を2勝以上した母を持つG1ウイナーは本馬のみだそうです。

 

Cody’s Wish (2018)

父Curlin 母の父Tapit

種付け料(2024年): $75,000

BCダートマイル連覇を含むG1 5勝。2023年エクリプス賞年度代表馬。

ついこの前まで現役だったこともあるでしょうが、動きも俊敏、馬体も締まっていました。これから種牡馬らしくなっていくのでしょうね。

 

Essential Quality (2018)

父Tapit 母の父Elusive Quality

種付け料(2024年): $65,000

米国2、3歳チャンピオン。ベルモントS、トラヴァースS勝ち馬。フライトラインと並び、Tapitの晩年に生まれた後継種牡馬の1頭。

活躍場を多く輩出して、いつかこの血が日本にやってくることを期待したいですね。

 

Nyquist (2013)

父Uncle Mo 母の父Forestry

種付け料(2024年): $85,000

G1 5勝(BCジュベナイル、フロリダダービー、ケンタッキーダービなど)。ジョナベルファームでは最も高額な種付料。Bookfullの人気種牡馬。2023年米国サイアーランキング22位。

 

Frosted (2012)

父Tapit 母の父Deputy Minister

種付け料(2024年): $10,000

G1 3勝(メトロポリタンH、ホイットニーH、ウッドメモリアルS)。低額の種付け料に対して、ステークスウイナーを多数輩出。2023年米国サイアーランキング24位。

 

Medaglia D’oro (1999)

父El Prado 父の父Sadler’s Wells

種付け料(2024年): $75,000

G1 3勝(トラヴァースS、ホイットニーH、ドンH)。北米現役種牡馬の中で最多のステークス勝利数。25頭のG1馬を輩出。

日本でもお馴染みのメダグリアドーロ。出資馬の母父でもあり、会えるのを楽しみにしていた1頭です。もう25歳にも関わらず、いまだ現役。とはいえ流石に高齢なため、他の馬が放牧している時間も厩舎の中で休んでいました。

 

牧場施設の見学

種付けの準備室です。そしてこの奥が種付け場となります。

種付け場の床は、どこもクッション性に優れています。牧場によって、敷いてある材料が全く違うので、比較すると面白いかもしれません。

見学の最後は向かい合ったAffirmedとStreet Cryの銅像。いくつか牧場を訪れましたが、銅像はよほどの貢献をした種牡馬である証です。こちらが米国三冠馬アファームド。

そしてストリートクライ。Street Cryは今回見学したStreet Senseや最強牝馬Zenyattaを輩出した大種牡馬。

牧場では、Street Cry、Street Senseと続くサイアーラインを守るべく、Street Senseを父に持つMaxfield、Speaker’s Cornerも繋養されています。(今回は見れず)

 

これで、およそ2時間弱の見学は終了です。事務所に戻って解散しました。

アメリカで初めての牧場見学でしたが、社台スタリオンに比べると、華やかさに加えて歴史の重みを感じます。

近い将来、出資馬もしくは候補馬の血統表の中に今回会えた彼らの名前を見つけることができたら嬉しいですね。

(つづく)

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