半年前から計画していた凱旋門賞の観戦。
レースまであと約1ヶ月となり、観戦にむけて着々と準備も整ってきました。
レース情報についても、日本からの出走馬や鞍上などが次々と発表されています。
ということで、記事では、遠征の決まった日本馬に今一度注目したいと思います。
目次
2019年凱旋門賞に遠征する日本馬
日本から観戦に行く方、当日のテレビ観戦を楽しみにされている方、目的は日本の馬の応援というケースが多いのではないでしょうか。
私もそうです。
今年は過去最多タイの3頭の日本馬の出走が確定しています。
そしてどの馬も日本代表として実績は十分。
日本人にとって、とても楽しみな凱旋門賞となりました。
では、出走する日本の馬を順に紹介していきたいと思います。。
フィエールマン(牡4)

出典:Wikipedia
7戦4勝(2着2回)
主な勝ち鞍
- 2018 GI 菊花賞 3000m
- 2019 GI 天皇賞(春) 3200m
現在の日本の中〜長距離で現在一番強いのはフィエールマンと語る解説者もいるほど。
まだキャリアが浅く、底が見えていないにも関わらず、日本の長距離GIを制覇。
トライアルとして出走した8月の札幌記念は、同じく凱旋門賞に出走するブラストワンピースに敗れました(3着)。
とはいえ、距離が2000mと短かったことや、完全に仕上げていなかった点を踏まえて、陣営は重く捉えていない様子です。
凱旋門賞は2400mながら、日本とは違い力のいる馬場であるため、よりスタミナが求められます。
フィエールマンに期待するファンは多いでしょうね。
ブラストワンピース(牡4)

出典:Wikipedia
10戦6勝
主な勝ち鞍
- 2018 GI 有馬記念 2500m
- 2019 GII 札幌記念 2000m
- 2018 GIII 毎日杯 1800m
- 2018 GIII 新潟記念 2000m
2018年のグランプリホース。
有馬記念後は不甲斐ないレースが続きましたが、トライアルの札幌記念ではフィエールマン他3頭のGI馬を退け見事優勝しました。
本番は札幌記念でも騎乗した川田将雅騎手が騎乗する予定です。
力はあるけれど、道中の不利やレースペースに恵まれずに勝ちを取りこぼしている印象の強いこの馬ですが、それでも有馬記念をはじめ重賞4勝。
日本を代表する一頭です。
キセキ(牡5)

出典:Wikipedia
17戦4勝(2着4回)
主な勝ち鞍
- 2017 GI 菊花賞 3000m
GIレースで確実に上位争いに食い込んでくるキセキ。
直近の5レースは全てGIでしたが、2着3回、3着1回と抜群の安定感を誇っています。
フィエールマン同様、長距離GIを勝っているのも期待できるポイントですね。
今年参戦する3頭の中で唯一、前哨戦に現地のレース(フォワ賞)を選択しました。
鞍上はスミヨンに決定。
過去に凱旋門賞を2回勝ち、オルフェーブルともコンビを組んだ世界的ジョッキーです。
つまり、キズナはオルフェーブルと全く同じローテーションと騎手ということになりました。
日本馬にとっては一番経験と実績のある正攻法で、本番に臨みます。
挑戦を断念した有力馬とその理由
参考までに、参戦を期待されつつも見送りとなった馬たちの経緯についても触れておきます。
アーモンドアイ(牝4)→回避

出典:Wikipedia
すでにGIを5勝(牝馬3冠+ジャパンC+ドバイシーマ)している現役日本最強馬。
ドバイへの海外遠征でもきっちり成果をあげました。
その反面、海外での環境への対応やレース後の消耗具合も不安視されることに。
『凱旋門賞への挑戦は更に厳しい条件で臨むことになり、現時点において最良の選択ではない』として断念することが発表されました。
サートゥルナーリア(牡4)→回避

出典:Wikipedia
無敗で今年の皐月賞馬を制覇。これはディープインパクト以来14年ぶりの快挙でした。
ダービーでもダントツの単勝1.6倍に支持され、ダービー制覇後の凱旋門賞挑戦が期待されていましたが、ダービーでは初黒星(4着)。
『ダービーの敗因が不明』という理由などから、年内は国内に専念することが発表されました。
ロジャーバローズ(牡3)→故障により引退

出典:Wikipedia
今年の日本ダービー馬で、お父さんはディープインパクト。
凱旋門賞への挑戦は決まっていたものの、残念ながら8月に屈腱炎を発症。そのまま引退となりました。
凱旋門賞は3歳馬の斤量がかなり有利なので期待していましたが、残念です。
強すぎるエネイブル。それでも日本馬に期待できる理由
今年は3連覇を狙うエネイブルのための凱旋門賞と化しています。
確かに、彼女の負ける姿が想像できないのも事実。
日本から参戦する馬にとっては相手が悪すぎる気もしますが、良い情報もあります。
日本から3頭出走
海外厩舎は複数頭によるチームプレイを仕掛けてくるケースも多く、過去には単独で出走した日本の有力馬が不利を被るといったこともありました。(2014年のマカヒキなど)
ここ数年勝ち負けに絡めていない日本馬のマークが厳しくなることは考え辛い状況ですが、3頭も出ていれば何が起きても全ての馬が潰されてしまうことは無さそうです。
レース展開についても同じことが言えます。
先行型のキセキと、中団〜後方からの末脚にかけるフィエールマンとブラストワンピース。
いずれかの馬に不利な展開になったとすれば、他の馬にとって好機になり得ます。
2011年のドバイWC。ビクトワールピサが日本馬として初めて勝った時も、同じ状況でした。
ヴィクトワールピサを管理する角居調教師のレース前のコメントは、とても印象的でしたね。
「日本の3頭はそれぞれタイプが違うので、どんな展開になっても、どれかにチャンスが回ってくると思います」
まさにチームジャパンで勝ち取った勝利でした。
今年の凱旋門賞が、21頭目の挑戦で初優勝したドバイWCの再現となれば、最高ですね。
過去にないローテーションで挑戦
日本馬が凱旋門賞で勝てない理由は何でしょうか?
海外の馬が強いのはもちろんそうですが、
- 遠征による負担
- 両国の芝や環境の違い
この2つもかなり大きな部分を占めていることは間違いないと思います。
事実、逆に海外から日本に遠征してくるジャパンカップ(GI)では、凱旋門賞馬ですら日本の馬に歯が立たない状況が続いています。
モンジューにデインドリーム、そしてオルフェに勝ったソレミアなど。
どの馬も歴史に名を残す名馬ですが、日本では全く見せ場のないまま、馬群に沈んでいきました。
この結果が示すことは、長距離の遠征がいかに困難で、欧州と日本の馬場が異なるかということだと推測できます。
このギャップを埋めるべく、フィエールマンとブラストワンピースは例年と違うローテーションと遠征方法をとっています。
それがこちら
- 前哨戦を日本の札幌記念(札幌競馬場は、日本では2つしかない洋芝のコース)
- 滞在先はイギリス。凱旋門賞はイギリスから遠征
この新たなアプローチが良い方向に作用するのかは分かりません。
しかし、成果の出ていない過去のやり方を捨て、新しいことを試みるという姿勢は素晴らしく、何か起こしてくれそうな、そんな期待感を抱かせてくれます。
まとめ
この一年、多くの日本の有力馬が参戦を表明しましたが、最終的には
- フィエールマン
- ブラストワンピース
- キセキ
(あとディアドラがもしかしたら)
この3頭が挑戦することになりました。
ここ数年の中でも、かなり期待できる顔ぶれであることは間違いないですね。
レース本番まであと1ヶ月。
3頭が無事にレース本番を迎え、無事に走りきってくれることを祈るばかりです。
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