コロナの影響でもう当分、海外へは行けないかもしれません。
残念ですが、良い機会なので昔の旅行を振り返りたいと思います。
欧州だけでも7カ国、いろんな街へ行きました。
その中でも、滞在時間が短く、大きな街でもないのに印象に残っている場所がいくつかあります。
その一つが、ドイツのネルトリンゲンです。
目次
進撃の巨人のモデル地、ネルトリンゲン
そもそも、ネルトリンゲンは日本ではあまり知られた存在ではありませんでした。
一躍脚光を浴びるきっかけは、漫画『進撃の巨人』のモデル地ではと囁かれるようになったことです。
ネルトリンゲンは隕石のクレーター跡に築かれたという珍しい背景があり、円形に作られた街は、周囲を城壁で囲まれています。
実際に漫画を読んだことのある方はピンとくると思います。
この街の構造が、進撃の巨人の舞台とそっくりであるため、進撃の巨人のモデル地の筆頭候補として挙げられたんですね。
進撃の巨人は愛読していたので、どうしても行きたかった
今も、昔に買ったブルータスの進撃の巨人特集号を横に置いてこの記事を書いています。
モデル地と聞いたからには、どうしても寄りたかったので、旅行のスケジュールに入れることにしました。
進撃の巨人の世界は、
- 街がスペインくらいの大きさ
- 壁の高さは50m以上
- 壁は3重構造(ウォールマリア、ローゼ、シーナ)
というように、ネルトリンゲンと比べると異なる点もありますが、基本的にはそっくりです。
行くしかないと思っていました。
シンデレラ城から巨人の世界へ
ネルトリンゲンに寄ろうと考えていた日は、ノイシュバンシュタイン城の城内ツアーに参加した後、宿のあるローデンブルグまで300km近く移動するというスケジュールでした。
ノイシュバンシュタイン城はシンデレラ城のモデルとして有名ですね。
つまり、この日はディズニーのシンデレラ城と巨人の世界をはしごするという、壮大な計画でした。
ところが、ノイシュヴァンシュタイン城へは朝一で行ったにも関わらず、人気すぎた為に購入できたツアーは12:40。
かなりの時間ロスで、スケジュールの雲行きが怪しくなります。
そうこうしている間にツアーの開始時間となりました。
城内ツアーは素晴らしかったです。待った甲斐がありました。
しかし、ツアーが終わると大雨が降り始めていて、とても駐車場まで歩ける様子ではありません。
仕方なく城内のレストランで雨が上がるのを待とうとするも、空席がなく断念。
いつ止むかも分からなかったので、ぺらぺらの雨がっぱを購入して下城を強行しました。
ここが分岐点で、もしレストランに空席があったら、30分でも下城を躊躇していたら、時間切れでネルトリンゲンへは立ち寄れていませんでした。
ネルトリンゲンへはレンタカーで
ロマンティック街道沿いからは少し外れた場所にネルトリンゲンは位置しています。
なので、日本人がよく利用するバスツアーからは除外されていることが多く、行くならレンタカーとなります。
アウトバーンを下りて東へ向かう必要があるのですが、その道が運転していて楽しい、かなり良い感じのワインディングでした。
雨の降るシンデレラ城から200km近く北上したおかげか、この頃には雨も止んでいましたし、こんなに気持ちの良いドライブは経験がありませんでしたね。
助手席の妻に撮影してもらっていた動画が残っていたので、のせておきます。
ネルトリンゲン到着後、街を見渡せるダニエル塔へ
ネルトリンゲンへ到着後、駐車場(見つけるのも一苦労)に車を停め、街の中心にある教会へ向かいます。
そして、高さ90m、350段にもなる塔を駆け上がります。
息も切れ切れで受付に着いたのは、最終受付前の17:47。
笑顔で出迎えてくれたのは、おじさんと職員猫のヴェンデルシュタインでした。
この三毛猫、ヴェンデルシュタインは本当に市民権を与えられた職員で、給与も払われているそうです。
三毛猫は塔の旧名である「ヴェルデンシュタイン」という立派な名前が付けられた。彼女は塔を訪れる観光客のもてなし役として、また時にはネズミやハトを退散させ、ネルトリゲンの最も人気のある重要な文化遺産を守り、清潔に保つ重要な任務を担っていることから、市役所は正式に塔の管理予算からヴェルデンシュタインに250〜300ユーロを割り当てることに決定し、公的な地位と給料を得られるようになった。
引用:Risvel
塀で囲まれた、小さな丸い街
受付をすませ、ようやく、塔の上の展望台へ。
一面オレンジの屋根、そして囲われた城壁。
まさに進撃の巨人の世界でした。
少し狭いですし、壁も高くないですが、雰囲気はまさにそれ。
塔から撮った動画をのせておきます。
塔の上を何周も歩きましたね。
本当に360°壁で囲われています。
進撃の巨人を読んだことがなくて、塔の階段も途中で諦めかけていた妻も、この景色には満足していました。
実際、時間もなかったので景色を眺めていたのは10分程度だったように思いますが、とても記憶に残る経験を得ることが出来ました。
おまけ。おじさんと塔を降りる
閉館ギリギリに入場したので、他の観光客もいなくて最後だったわけですが、受付のおじさんが、一緒に降りようと言ってくれました。
どうやら恒例行事らしく、最後のお客にはおじさんが塔を降りるついでに公開してないものを見せてくれるそうです。
それがこの鐘。
たしか、第二次世界大戦中、他に何個かあった鐘は鉄の材料として国に押収されたが、これだけは残ったとか、そんな説明だったと思います。
他には、三毛猫のこととか話しながら降りましたね。
おじさんは普通に英語を話せるので、会話には困りませんでした。
ありがとう、おじさん。今でも元気でいらっしゃるでしょうか。
ローデンブルグでの晩御飯
その日の宿はローデンブルグ。
ネルトリゲンに行く方は立ち寄ることが多いと思います。
城や塔を動き回ったので、ディナーは予約していた人気店でお腹いっぱい食べることにしました。
予定通りではないにしろ、なんとか行きたかった所は全部周れて、とても充実した1日でした。
旅行中、『今日は頑張った!』という日はたまにありますよね。
そんな達成感もあってか、ビールがすごく美味しかったこと、覚えています。
ただ、料理を頼みすぎました。
なんか気持ちが大きくなってしまって、血のソーセージを含めて少なくとも4人分。
6皿ありますからね。
美味しかったんですけど、かなり残してしまいました。
本当に勿体無かったです。
そんなことを含めて、なぜか思い出に残る、とても印象深い1日でした。
ネルトリンゲンは本当に良い街なので、南ドイツへ行く際は立ち寄ることをオススメします。