みんな好きですよね。宇宙とか。火星とか。
映画『オデッセイ』とかめちゃくちゃ面白くなかったですか?
2005年8月12日に打ち上げられた、NASAの火星探査機MRO。
そのMROに搭載された、当時の惑星探査史上最大にして最高性能のカメラ『HiRISE(ハイライズ)』によって撮影された火星の写真集を紹介します。
MARS 火星-未知なる地表 惑星探査機MROが明かす、生命の起源
出版社は青幻舎。272ページ、357 x 295mmの大型本です。
画像はすべてモノクロですが、良質紙に”超高品質印刷”が施されていて、こんなに細かいものかと驚かされます。
そんなジャンルがあるのかは知りませんが、カテゴライズされるなら『高級写真集』となるでしょう。
砂丘に走る複数の溝、溶岩で形成された平原、火山灰で覆われたクレーター、深い谷底…。
四十億年以上を刻んだ火星形成の歴史と、確かに存在したとされる「水」の痕跡。
さまざまに創造力を喚起させる神秘的なイメージを高品質印刷により再現した画期的な写真集。
引用:青幻舎
写真の解像度と印刷品質がケタ違い
実際に見て触ってもらわないと伝わらないと思うのですが、
目の前にすると軽く緊張感が走るくらいのクオリティです。
少しでもこのスケール感が伝われば良いのですが。
ちなみに!ここに写っているものは何かと言うと、
直径4kmのクレーターです。解説も丁寧にしてくれています。
写真は150点。ひとつひとつに解説つき
このように、全ての写真について専門家の解説がついています。
緯度や経度も記載があるので、地図と照らし合わせてみることもできます。
それが楽しくなるほどの、圧倒的な写真ばかり。
火星の情報が全て入っている
テキストの部分も結構なボリュームで、読み応えはなかなかです。
内容は専門家の論考や火星探査の歴史など。面白いですよ。
火星というニッチすぎる世界の概要がこの一冊に収まっています。
地図とか載ってますからね。絶対に行くことはありませんが、遠く離れた星のリアルな地図。
映画の世界と違い、実際にこの世に存在すると考えると、なんだか感慨深くないですか?
こんな幾何学的な模様も、実際に存在する火星の地表です。
150点ある写真のうち、似たものは一切ありません。
数万枚から選ばれた一枚一枚は、どれも全く見たことのない風景写真になっています。
火星の風景と起伏は私たちに象形文字のような解釈を促して、その起源へと立ち戻らせる。
これまでみたこともないような風景によって心がゆさぶられ、私たちは想像の世界へ扉を開く。
(序文より引用)
ところどころ解説文に少しポエム感があるのは否めないのですが、(これはきっと翻訳のせいでもあるかな)
唯一無二であることは間違いありません。将来的にも、このクオリティのものが出版されることはもうないでしょう。
そんな火星の高級写真集。
気になるお値段は、
12,960円!!
・・・。
『高い!』という声が聞こえてきそうですね。
でも実際に私は発売後すぐに定価で買いましたし、その価値はあると思っているので紹介することにしました。
今回はニッチすぎる本の紹介となりましたが、それでも誰かに刺さってくれると嬉しく思います。