レーンズエンド(Lane’s End)ファーム牧場見学。フライトライン。

アメリカ駐在生活

ケンタッキー州レキシントンの牧場見学②

フライトラインが繋養されているレーンズエンドファーム(Lane’s End Farm)の紹介です。

ケンタッキー州レキシントンのブルーグラス空港(LEX)に到着すると、出口ゲートでは早速レーンズエンドの広告が出迎えてくれました。

 

レーンズエンドファーム(Lane’s End Farm)

生産及び種牡馬の繋養を行っています。公式HPはこちら

レーンズエンドファームとしての開業は1979年ですが、牧場の元を辿ると1829年まで遡ります。

過去にはA.P.Indy、Kingmamboなど歴史に残る名馬も繋養されていました。

ツアーの紹介文にはFlightlineに加えてCandy Ride、すでに引退しているLemon Drop Kidが挙げられていますが、他にも多くの有力種牡馬を有しています。

個人的には、Quality Road、Union Ragsに会えることも楽しみにしていました。

This tour begins with a history of the farm, before you head outside to the stallion complex, home to stars such as FLIGHTLINE, CANDY RIDE, LEMON DROP KID and more. You will learn about the ins and outs of an elite Thoroughbred breeding operation, and find out more about the pedigree, race record and progeny of the Lane’s End Stallions. A handful of stallions will be shown for you, before the tour walks through each of the stallion barns and the equine cemetery.

 

牧場到着から集合

スタリオンツアーの予約はこちらから。1.5時間で$30のツアーです。見学は12時半から。

ゲートがいくつもあるため、事前に牧場から見学者向けの案内が送られてきましたが、それでも普通に間違えました。実際は看板もゲート番号もかなり小さいので、ご注意下さい。

ゲートを過ぎてしばらく進んだ所にあるギフトショップが集合場所です。

 

ギフトショップ

事務棟に待合室を兼ねたギフトショップがあり、品揃えはかなり豊富です。せっかくなので、記念にフライトラインのキーホルダーを購入。

平日だったこともあり、見学者はわずか4名と、かなり小規模のツアーとなりました。

 

種牡馬見学

それでは、種牡馬を見学順に紹介します。

Connect (2013)

父Curlin 母の父Holy Bull

種付け料(2024年): $15,000

シガーマイルハンデキャップ(G1)勝ち馬。現役通算8戦6勝。ペンシルバニアダービー(G2)ではGunRunnerを下すなど、スピードが持ち味。

非常におとなしい馬のようで、触らせてもらえます。

 

Mineshaft (1999)

父A.P.Indy 母の父Mr.Prospecter

種付け料(2024年): $10,000

4歳で本格化。ジョッキークラブゴールドカップなどG1を4勝。

晩年の産駒に2024年のサウジカップを制したSenor Buscadorがおり、その賞金により2024年の米国サイアーランキングは暫定3位。血統的に1、2世代古い種牡馬ですね。

 

City of Light (2014)

父Quality Road 母の父Dehere

種付け料(2024年): $35,000

BCマイル、ペガサスワールドカップなどG1を4勝。

Quality Roadの後継種牡馬。すでに産駒のFierceness(BCジュベナイル、フロリダダービー、トラヴァースSなど主要G1を3勝)が2025年よりスタッド入りを決めています。

 

Flightline (2018)

父Tapit 母の父Indian Charlie

種付け料(2025年): $150,000

BCクラシックなどG1を4勝。生涯戦績は6戦6勝で着差の合計は71馬身と圧倒的で、史上最強馬とも評価されています。

厩舎内の見学だったので馬体をしっかりと見ることは出来ませんでしたが、近づくと寄ってきてくれる、優しい目をしたおとなしい子でした。小綺麗な優等生、という印象です。

室内でも皮膚の薄さが分かる、綺麗な馬体でした。

 

Liam’s Map (2011)

父Unbridled’s Song 母の父Elusive Quality

種付け料(2024年): $40,000

BCダートマイル、ウッドスワードS勝ち馬。8戦6勝(G1を2勝)。

スピードに優れた母系の血統背景に加えて、馬体の良さと運動能力の高さが売りのようです。

 

Candy Ride (1999)

父Ride the Rails(Fappiano系)

種付け料(2024年): $75,000

G1 3勝(パシフィッククラシックSなど)。アルゼンチンでデビュー後に米国へ。通算6戦全勝。2003年パシフィッククラシックの2着馬はメダグリアドーロ。代表産駒はGun Runner。レーンズエンドでも後継としてTwirling CandyとGame Winnerが繋養されています。

2015年 Sire of the Yearの表彰プレートが飾られていました。

 

Arcangelo (2020)

父Arrogate 母の父Tapit

種付け料(2024年): $35,000

G1 2勝(ベルモントS、トラヴァースS)。貴重なアロゲートの後継種牡馬。初年度産駒が2025年に誕生予定です。

 

Union Rags (2012)

父Dixie Union 母の父Gone West

種付け料(2024年): $15,000

G1 2勝(シャンペンS、ベルモントS)。

出資馬、ルージュシュエットの母の父にあたります。ツアーではシュエットの母ダンシングラグズが代表産駒の1頭として紹介されていました。一口馬主として縁を感じる瞬間ですね。

 

Lemon Drop Kid (1996)

父Kingmambo 母の父Seattle Slew

2021年に種牡馬引退

G1 5勝(ベルモントS、トラヴァースSなど)。エクリプス賞最優秀古牡馬。Kingmamboの代表産駒。日本のレモンポップの父。

28歳ということで、さすがに高齢馬らしいシルエットでしたが、会えて光栄でした。晩年に誕生したレモンポップが日本で血を広げることを期待しています。Kingmambo系はキングカメハメハに代表されるように日本で成功を収めているので、成功の可能性は高いと思います。

 

Catalina Cruiser (2014)

父Union Rugs 母の父Mineshaft

G2を5勝。2024年にチリの牧場に売却されました。

 

Gift Box (2013)

父Twirling Candy 母の父Unbridled’s Song

種付け料(2024年): $5,000

サンタアニタハンデキャップ(G1)の勝ち馬。

 

Game Winner (2016)

父Candy Ride 母の父A.P.Indy

種付け料(2024年): $20,000

2歳時にG1を3勝(デルマーフューチュリティS、アメリカンファラオS、BCジュベナイル)。

 

Daredevil (2012)

父More Than Ready(ヘイロー系) 母ミスプロ系

種付け料(2024年): $15,000

シャンペンS(G1)の勝ち馬。産駒が同年にケンタッキーオークスとプリークネスSを制覇。

 

Twirling Candy (2007)

父Candy Ride 母ミスプロ系

種付け料(2024年): $60,000

マリブS(G1)の勝ち馬。9頭の産駒がG1勝ち。Candy Rideの後継種牡馬です。

 

Up To The Mark (2019)

父Not This Time(父の父Giant’s Causeway) 母の父Ghostzapper

種付け料(2024年): $25,000

芝のG1を3勝(ターフクラシックS、マンハッタンS、ターフマイル)。

 

Quality Road (1999)

父Elusive Quality 父の父Gone West

種付け料(2024年): $200,000

G1 4勝(フロリダダービー、ウッドワードS、ドンH、メトロポリタンH、ウッドワードS)。産駒に15頭のG1ウイナー。

種付け料が示す通り、北米を代表する種牡馬の1頭です。かなりスラットした馬体で、筋肉ゴリゴリの一般的な種牡馬とは明らかにタイプが違いました。まるで日本の芝を走っていそうな馬体と言いますか。最初は年齢のせいかとも思いましたが、まだ18歳ですからね。

後継種牡馬のCity of LightがすでにFiercenessを出していますし、サイアーラインの発展が楽しみです。

 

牧場施設の見学

種付け場。

キメの細かい白い砂のようなクッション材でした。

厩舎の外観。

厩舎2棟と事務棟が”コ”の字型に配置されて、中央に大きなパドックがあります。

写真の手前、パドックを見渡せる位置にA.P.Indyの銅像が建てられていました。

その奥には放牧地。一番厩舎に近い、手前右側の囲いがフライトラインのエリアだそうです。

およそ1時間で見学は終了です。

200年の歴史ということですが、建物をはじめとても綺麗で整備されているので、むしろ近代的な牧場という印象を持ちました。

レーンズエンドを訪れたのはフライトラインに会うことが目的でしたが、繋養されている種牡馬を詳しく見ると、Unbridle’s Song、つまりファピアノ系が大好きなんだなという発見もありました。

Liam’s Map(父Unbridle’s Song)にArcangelo(父Arrogate)、そしてUnbridle’s Songは入っていませんが、同じFappiano系のCandy Rideとその下のTwirling CandyとGame Winner。有力種牡馬の多くがファピアノ系ですからね。

他には、Quality RoadからCity of Lightへ続くラインにも今後注目したいと思いました。

(つづく)

ケンタッキー州牧場見学の記事です▼

ダーレー・ジョナベルファームの牧場見学。エッセンシャルクオリティなど。

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