アーカンソーダービー観戦記。オークロンパーク競馬場。

アメリカ駐在生活

3月末、Arkansas Derby(G1)を観戦するためにアーカンソー州ホットスプリングへ行ってきました。

なぜアーカンソーダービーかと言うと、ケンタッキーダービーの入場料が高額すぎて手が出なかったためです。末席で1,000ドルはさすがに払えません。

前哨戦のローカルダービーといえど、本場アメリカのダービーを体感する良い機会になりました。

アーカンソーダービーについて

まず、アーカンソー州ってどこ?

ここです。アメリカ真ん中の下の方ですね。

アーカンソーダービーに話を戻すと、

アーカンソー州オークロンパーク競馬場で行われる3歳限定のG1レースで、

設立は1936年と古く、日本ダービーの1932年とほぼ同時期です。

主要なケンタッキーダービーのプレップレースの1つであり、勝ち馬には100ptが与えられます。

総賞金$1,500,000。1着賞金は$787,500(1億2000万円)。

ポイントや賞金を除く格でいうと、フロリダダービーの次点に位置していると思います。

日本で言うと、弥生賞(近年は共同通信杯が)に次ぐ、スプリングステークスって感じでしょうか。

主な歴代勝ち馬

2020 Nadal (社台スタリオン)

2015 American Pharoah(米国3冠馬)

2007 Curlin(米国サイアーランキング2位)

過去の勝ち馬には、日本でも馴染みのある馬、世界的な有名馬も名を連ねています。

一口馬主でダンシングラグズ21(父Curlin)、ライラヌール22(父American Pharoah)に出資していることに縁を感じて、シアトルから飛行機を乗り継いで向かいました。

 

空路でリトルロックへ

レース前日に、アーカンソー州リトルロックにあるBill and Hillary Clinton National Airportに到着しました。

空港コードはLITです。

州都の空港なのですが、それなりの規模感で、レンタカーのオフィスはすぐ隣の建屋にあります。

このパターンは初めてでしたが、シャトルバスを使わずに辿りつけるのは、借りるのも返すのも楽で良いですね。

今回利用したLITは競馬場から最寄りの空港ではありません。空港からオークロンパーク競馬場までは60マイル、車で1時間ほどかかります。

移動は主にI-30を使うことになるのですが、さあ、合流するぞと加速すると、その先はまだ一般道で合流ポイントには一時停止標識。

二段階でFree Wayに合流する構造に一番最初はびっくりしましたが、初めての土地を走るのはやっぱり楽しいです。

すでに夜7時だったので、途中スーパーで食料を調達していったんホテルへ。

ホテルは、リトルロックと競馬場のあるホットスプリングスの間にあるBryantという街にとりました。

今回の旅に家族は帯同していないので、値段重視の安宿です。

荷物を置いて、David’s Burgersへ。

地方に行くと、その土地のローカルチェーン店に行くようにしているのですが、文句なく歴代1位。安くておいしくて、驚きました。

こんな肉肉しいハンバーガーがたったの10ドル。しかもポテト食べ放題、食後にはアイスの試食も。

そのごスーパーで買い出しを行い、1日目は終了です。

 

レース当日

2日目のレース当日。

アーカンソー州は、西海岸との時差が2時間あるため、動き出したのはお昼近くになってしまいました。

アーカンソーダービーの出走時間はpm6:47と遅めなので、まずは競馬場近くのホットスプリング国立公園へ。

一応、温泉に入るために水着は持参したものの、行列ができていたので今回はやめました。

100年以上前の温泉施設を見るだけでも結構楽しめると思います。

遅めの昼食を食べて、ダービー当日のオークロンパーク競馬場に到着しました。

アメリカでは一般的ですが、カジノが併設された競馬場です。どちらかと言えば、カジノの方がメインかもしれません。

駐車場は$10。入場料は無料です。ケンタッキーダービーの入場料が$1,000以上(15万円)と比べるとかなり良心的。

オークロンパーク競馬場最大のイベントだけあって、人、人、人。着飾っている方もたくさん。

特にインフィールドは家族連れ、ドレスを着た学生っぽい集団が、お祭りを楽しんでいます。

日本の競馬場とは全く違う、ダービーの華やかな、パーティー的な雰囲気に包まれていました。

慣れていないので、居心地は正直良くはないかも。

しかし、やはりアメリカ競馬はダービーなんだなと実感します。多くの有力馬は3歳で引退して種牡馬入りしますし、古馬の盛り上がる日本とは文化が少し異なります。

先ほどはアーカンソーダービーをスプリングステークスと例えましたが、、高校野球の神奈川県予選決勝みたいなイメージですかね。

オークロンパーク競馬場

競馬場の施設についても紹介したいと思います。

装鞍所は室内、パドックはインフィールドにあります。

客席ですが、スタンドの中は指定席、屋外は自由席です。

インフィールドへは地下通路で。狭いので、この日は渋滞してました。

アメリカの競馬場の砂は、日本の砂と違って、土に近いですね。

ギフトショップもありましたが、品揃えはそこそこ。ステッカーとポストカードを買いました。

 

いよいよダービー発走

やや日も傾いてきたpm6:50、いよいよ今年のメインレースの発走です。ゴール前近くのベンチで観戦します。ベンチは自由席なのがありがたい。

国歌斉唱などはありませんでした。

2024年のアーカンソーダービーは、昨年のBCジュベナイル2着ムースと4着ティンバーレイクが上位人気。

BCはサンタアニタ競馬場で観戦していたこともあり、個人的には、この2頭を応援していました。

写真は2歳時にBCへ出走したMuth。

そしてTimber Lake。

ここで結果を出して、Firecenessと再戦してほしいですね。

パドックを周回して、スタート地点へ。7番がムースです。

そして、定刻から少し遅れてのスタート。日本ダービーと同じで、スタンド前を通過していきます。

レースは、先行して2番手で進めていたムースがそのまま押し切って圧勝。

先頭で牽引していたティンバーレイクは4着に。

ムースはとても強い内容で、先行押し切りというアメリカらしい良いレースを見せてもらいました。

ケンタッキーダービーでも見たかったのですが、所属厩舎が薬物違反でチャーチルダウンズ競馬賞での出走は認められませんでした。

そしてこの年のケンタッキーダービーは、この日ノーマークだった3着馬、ミスティックダンが制しました。正直、マジかという感じ。この日も写真も何も撮ってませんでした。

 

ダービーの後

競馬場でメインレースが終わった後は、一気に人がはけていきます。

私は換金などで30分遅れくらいで会場を後にしましたが、そのころには混雑は全く見られず、駐車所出口もスムーズでした。

ホテルに着いた頃には9時近くで流石に真っ暗。

夕食は近くのファミレスでピックアップして、ホテルで食べました。

 

そして3日目、シアトルに戻る日です。

帰りの便が昼だったので、午前は少しだけリトルロックを見て周りました。

リトルロックの街は治安は調べていた通り、ちょっと悪そうでした。

特別ななにかが起きた訳ではありませんが、雰囲気的に良くなかったですね。

 

振り返り

ケンタッキーダービーの前哨戦、どのレースに行こうかと検討して、人生で行く機会が最も無さそうなアーカンソーを選びました。

他の候補は、同じ週か翌週に開催されるフロリダダービー、サンタアニタダービー、ブルーグラスステークス。

オークロンパーク競馬場ではここアジア人はほぼ見かけず、本当に一人だけ日本人っぽい方をみかけたくらい。

普段アジア人の多い地域に住んでいるせいか、アメリカをより感じました。

とはいっても、レース前には『何買ったの?』と話しかけられたり、コミュニケーションは他の競馬場と変わりません。

本場のダービー独特の雰囲気を感じ取ることは出来ました。遠征は成功だったなと思います。

 

スポンサーリンク